「ステンレスタンクのワイン」と「木樽のワイン」味わいの違いを知ることで見分け方のコツを理解!

the aging of the wine

軽めのワインと重めのワインの見分け方が分からない…

 

自分好みの「家飲みワインの選び方」を教えてほしい!

 

Yamaguchi
このような場合に、簡単にワインを選べる方法をソムリエがご紹介します。選べる方法を知る上で、ワインの醸造工程も障り程度理解する必要があるため、長めの記事になりますが最後まで頑張って読んでみてくださいね!

 

この記事で得られること

①「ステンレスタンクのワイン」の味わいの特徴が理解できる

②「木樽のワイン」の味わいの特徴が理解できる

③好みのワインを選ぶ際のポイントが分かる

④ステンレスタンク、木樽それぞれのおすすめワインが分かる

目次

ワインの醸造における「発酵」「熟成」について

 

「発酵」とは?

 

ワインの醸造の中で「発酵」という工程があります。簡単に言うと、ブドウ果汁に含まれる糖分を微生物である酵母の働きによって「アルコール」と「二酸化炭素」に分解する重要な過程のことです。

 

豆知識

◆白ワインの発酵…皮や種は取り除き、果汁のみを15~20℃の低温で発酵 (繊細さが強調される)

◆赤ワインの発酵…皮や種も一緒に、26~30℃で発酵 (皮や種から色素や渋みを抽出する)

 

ブドウを発酵する際、ステンレスタンクや木製槽、コンクリートタンクにて行われ、どの容器で発酵するかによってワインの味わいが変わります。

 

Grapes fermentation

~ 黒ブドウをステンレスタンクにて発酵を行っている写真 ~

↑発酵槽内の温度上昇防止、色素や風味抽出促進の為、液面を攪拌させます。

 

また、発酵時の「温度管理」と「液体の循環」が大切でワインの味わいにも大きく影響するため、生産者の方々も特に注意をはらう作業になります。

発酵後は、いくつかの工程を行い酒質の安定化を図り、ワインの熟成へと進んでいきます。

 

「熟成」とは?

 

一般的に、熟成とは「時間の経過によりワインの旨味や品質の向上」を目的とします。

熟成が長くなれば高級ワインというイメージを持たれている方もいますが、そのワインの潜在能力を超える熟成を経た場合、ワインの風味は衰えてしまいます。ですので、熟成期間はそのワインの潜在能力に見合った程度にとどめる必要があり、生産者の見極めが大切です。

 

wine tasting

~ 木樽熟成中のワインをテイスティングする生産者 ~

 

発酵の工程同様、熟成はステンレスタンクや木製槽、コンクリートタンクにて行われ、どの容器で熟成するかによってワインの味わいが変わります。

 

熟成のメリット

①風味が落ち着き、酒質が安定する

②深みや複雑さが増す

 

豆知識

桶での熟成後、瓶内での熟成を経て出荷する生産者もいます。コルクのワインは、100%空気を通さないわけではなく、非常にゆっくりと「酸化還元熟成」の状態になります。コルクが通す微量な空気に触れることにより、様々な芳香成分が造られ、味わいが全体に溶け合うようにまろやかになっていきます。皆様のご家庭にあるコルクのワインも同様に「酸化還元熟成」の状態になります。ですので、早飲みワイン以外のワインの保存方法は特に重要です。

 

「ワインの保存方法」について詳しくお知りになりたい方は下記の記事を参考にしてみてくださいね。

「ステンレスタンクのワイン」の特徴

wine stainless steel tank

~ ワイン用ステンレスタンクの写真 ~

 

ステンレス製タンクのメリット

①ワイナリー経営にとって低コストである➡錆に強く耐久性と衛生管理に優れ、洗浄が容易で使いまわしが可能

②温度調整がしやすい➡生産者の望みの味わいに仕上げやすい

 

ステンレス製タンクのワインの特徴

①早期熟成型の軽やかな早飲みワインが多い

②葡萄のピュアでフレッシュ&フルーティーな味わいが強調される

③洗練された清涼感や心地よい酸味のある味わい

赤ワインの場合、渋みは控えめになる

 

総体的に、ステンレスタンクのワインは軽やかで清涼感のある味わいになります。

凝縮感のあるワインよりも、フルーティーな味わいがお好みの方は、「ステンレスタンクによる醸造」というキーワードを覚えておくと好みの味わいのワインが見付けられます。

例えば、インターネット通販でワインを探す場合に、大体どのショップも「醸造工程」の詳細を記載しています。そこに、「ステンレスタンク発酵や熟成」の文言があれば、一部例外もありますが、軽やかで清涼感のある味わいのワインと認識していただいてよいでしょう。

また、近くのワインショップ等でワインを購入する場合にも、簡単な醸造工程をボトルの裏側に記載されているワインもありますので、参考にされてみてはいかがでしょうか♪

 

ソムリエおすすめ!「ステンレスタンクのワイン」はコレ!

 

では、ステンレスタンクのワインのおすすめをご紹介していきますね。

 

\スペイン最西端、大西洋岸の穏やかな気候に育まれた高貴品種『アルバリーニョ』種!クリーンな辛口白ワイン “「伸びやかでソフト&フルーティ」にまとまった素晴らしいバランス”/

おすすめ白ワイン① 2,200円

 

\ドイツを代表する葡萄品種「リースリング」種のトロピカルフルーツ感たっぷりの辛口白ワイン “ 新鮮な魚介類と愉しみたい「じんわり旨味&フルーティ」な味わい”/

おすすめ白ワイン② 2,800円

 

\抜栓2日目から本領発揮!南フランスの暖かい気候で育まれた「太陽のような赤ワイン」 “ 複雑でスパイシー&フルーティな味わい ”/

おすすめ赤ワイン 3,400円

 

\ほぼステンレスタンク醸造のワインセット!フランス銘醸地ロワール地方の多様性とエレガンスを愉しむ “ 日本人の味覚、家庭料理にも繊細に寄り添う赤・白・泡の合計5本 ”/

綺麗系ワイン5本セット 11,000円

 

「木樽ワイン」の特徴

 

wine fermentation

~ ワイン用木製桶の写真 ~

 

木製桶のメリット

①保温性に優れ、外気温の変化から内部のワインを守る

②木樽には透気性があり、赤ワインの「渋み」が、混入した酸素と結合することで味覚的にまろやかになる

③木樽に含まれる成分の抽出によって、より複雑で芳香性に富んだ味わいになる

④元々、渋みの少ないワインを木樽で発酵・熟成させることにより、木樽に含まれるタンニン(渋み)をワインに与えることができる

 

木樽ワインの特徴

①中・長期熟成型のまろやか芳香性に富んだワインが多い

酸味は控えめになり、凝縮した果実味や甘みを感じやすい

③全体的に、重たくしっかりとした味わい

赤ワインの場合、渋みが強調される

 

木樽ワインをさらに深堀り! その①「新樽」と「古樽」

 

木樽には、新調した「新樽」と、複数回以上、醸造に使用した「古樽」があります。

一般的にワイナリーでは木樽を使用する場合、新樽か古樽のいずれかを発酵や熟成に使用します。

それぞれにメリットや味わいの特徴があります。

 

新樽のメリットや特徴

①微量な酸素の供給により、ワインの色調や風味が濃くなる

②樽材から甘く香ばしい芳香の「ヴァニリン」、渋みのもとである「タンニン」等が抽出される為、骨格のしっかりとした味わいになる

③酸味よりも果実味が優勢

④新樽1樽の価格が8~10万円と高価な為、古樽やステンレスタンクに比べてワインの販売価格も割高となる

⑤現代派(モダンスタイル)の生産者で多く使用され、抜栓直後や若いうちから愉しめるワインが多い

 

古樽のメリットや特徴

①ワインは酸素に触れない状態になり、褐色を帯びた色合いになる

②風味は、ドライフルーツやドライフラワー、スパイス等が感じられ熟成感の強い味わいになる

③果実味よりも酸味が優勢

④古典派(クラシックスタイル)の生産者で多く使用され、ある程度の熟成期間を経てから愉しむのが望ましい

 

例えば、ワインを購入する際、熟成工程の説明欄に「新樽比率20%」と記載がある場合、熟成に新樽を20%使用したことになり、新樽を使用していないワインに比べて樽材からの成分抽出もあることから、色調や風味も濃く、果実の凝縮感のあるワインとなります。

 

木樽ワインをさらに深堀り! その②「小樽」と「大樽」

 

the aging of the wine

~ 中央にあるのが「小樽」、周りにあるのが「大樽」の写真 ~

 

次に、木樽には様々な容量があります。

小樽の代表的なものがフランス ボルドー地方のバリック(225ℓ)、フランス ブルゴーニュ地方のトノー(228ℓ)が有名です。

容量が1000ℓ前後のものが、据え置き型の大樽です。

一般的にワイナリーでは木樽を使用する場合、小樽か大樽のいずれかを熟成に使用します。

それぞれにメリットや味わいの特徴があります。

 

小樽のメリットや特徴

①酸素供給は多くなり、ワインの酸化熟成が促進され果実味が濃い味わいとなる

②酸化しにくい品種であるカベルネソーヴィニヨン等で多く使用される

 

大樽のメリットや特徴

①酸素供給は少なくなり、ワインの酸化熟成は抑制され、果実味よりも熟成感のある味わいとなる

②酸化しやすい品種であるグルナッシュ等で多く使用される

 

ワインを購入する際、熟成工程の説明欄に「小樽熟成」や「大樽熟成」と記載がある場合、上記の特徴を参考にされると良いですね。

 

木樽ワインをさらに深堀り! その③「フレンチ・オーク」と「アメリカン・オーク」

 

次に、木樽に使われるオーク材にもいくつか種類があり、代表的なものでフランスで産出される「フレンチ・オーク」と北米で産出される「アメリカン・オーク」があります。

それぞれの特徴は以下になります。

 

フレンチ・オークのメリットや特徴

①「ヨーロッパナラ」と「フユナラ」という系統がある

②ワインの熟成に向くのは「フユナラ」で、フランス東部のヌヴェール地区や中央部のアリエ地区、トロンセ地区が主な産地である

③ワインの味わいとして、キメが細かく、芳香成分と渋みのバランスが良い

④甘やかな風味よりも、渋み成分の方が強くなる

 

アメリカン・オークのメリットや特徴

①フレンチ・オークに比べてココナッツやバニラの芳香が強い

②ローストしたアーモンド等の樽香が付きやすい

③オーストラリア、スペインのリオハ地方、アメリカ・カリフォルニア州のワインの熟成に多用されている

④渋みよりも、甘い風味が強くなる

 

ワインを購入する際、「フレンチ・オーク熟成」や「アメリカン・オーク熟成」の文言はよく記載されているキーワードになりますので、上記の特徴を参考にしてくださいね!

 

ソムリエおすすめ!「木樽のワイン」はコレ!

では、木樽ワインのおすすめをご紹介していきますね。

 

\情熱の国スペイン育ち!完熟トロピカルフルーツのように濃厚でまろやかな辛口白ワイン “ 新樽使用のボリューム感溢れるクリーミーな味わい ”/

おすすめ白ワイン① 2,800円

 

\ 本格感・贅沢感たっぷり!カリフォルニアの濃厚赤ワイン“ フレンチ・オークとアメリカン・オークを50%ずつ使用した樽の風味を存分に味わえる赤ワイン ”/

おすすめ赤ワイン① 2,200円

 

\ 銘醸地ボルドー産!渋み控えめ!まろやか・柔らか濃密赤ワイン“ 美食家の方の家飲みワインにピッタリ! ”/

おすすめ赤ワイン② 3,000円

 

\ 全て樽を使用!“ 家庭で日常的に楽しむ「和の肉料理」を更においしく楽しめる、相性抜群の赤ワイン4本セット ”/

樽熟赤ワイン4本セット 8,796円

 

まとめ

 

Yamaguchi
ワインの醸造で使用する「ステンレスタンク」と「木樽」は、ワインの風味に大きく影響する事をご理解いただけたかと思います。ステンレスタンクのワインは「酸味があって軽やかでフルーティー」、木樽のワインは「穏やかな酸味で、果実味が強調された重たい味わい」が特徴です。このキーワードを覚えておくだけで、自分好みのワインが見つけやすいと思います。今後のワインライフに活用されてくださいね!

 

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